手術前後のライフスタイルに一定期間制約を伴う

性別適合手術のメリット・デメリット

性別適合手術は、男性器を取って人工的な膣を作る大がかりな手術です。

費用や期間だけでなく、体にかかる影響も無視できません。無事に手術が成功しても、すぐに女性として生活を始めることはむずかしいでしょう。これまで男性の体で当たり前に生きてきた人にとって、違う性別の体に慣れることは容易いことではありません。では、どのような制約を受けるのでしょうか?

①ケアが必要

手術が無事に終わってもしばらくはケアが必要になります。

外出はしばらくできなくなると考えておいた方がよく、座るのも痛いです。ゆっくり時間を取っておいた方がよく、短い療養期間だと傷の回復が遅れてしまいます。仕事をしている場合は、仕事復帰するまでにかかる期間も数カ月単位になる可能性があるので注意が必要です。

②ホルモンバランスの乱れから体調不良になることがある

性別を変えることで体のホルモンバランスも乱れます。手術前後は精神が不安定になりやすく、人によっては鬱になる場合もあります。しばらくして体と心が馴染んでくると収まることも多いのですが、人と話すことが嫌になることや外に出ることも嫌になり、行動に制約を受けることがあります。

このように、性別適合手術によって体や心に与える影響は多くあります。手術前後はライフスタイルに影響をする可能性があるので、手術することを決めたらなるべく予定を入れないようにすることも大切です。焦らず、少しずつ体に慣れていく気持ちの余裕も大事です。

ダイレーションが必須

性適合手術を受けたニューハーフはダイレーションが必須

性別適合手術は男性器を取り除くだけでなく、人工膣を作ることも可能です。もちろん人工膣を使って男性と性行為を行うこともできるため、好きな男性とアナル以外の性交が可能です。

性別適合手術の技術は凄く、手術したことが分からないくらい精度が高くなっています。しかし、膣と言っても人工的に作った膣であるため、本物の膣とは異なります。放っておくと穴がふさがっていくため、ダイレーションを行うのが一般的です。

①ダイレーションって何?

人工膣が閉じないようするために専用の棒を膣に挿入して穴を固定させます。ピアスだと、透明ピアスを使って穴が塞がないようにするのと同じ仕組みです。ダイレーション専用の棒を使ってダイレーションするのが一般的となっています。

人工膣には、反転法と呼ばれる方法、S字結腸法という二つの方法があります。反転法は陰茎の皮膚をひっくり返して膣にする方法、S字結腸法は大腸と直腸の間にあるS字結腸を摘出して膣として使う方法です。どちらの方法もダイレーションは必須です。

②ダイレーションは痛い?

人工的に作った膣は、傷口でもあります。そこにダイレーション用の棒を入れていくので、痛みはかなり大きい特徴があります。当然、慣れるまでは性行為をすることにも痛みを感じます。

定期的にセックスをしていれば穴は閉じにくいですが、予定がない場合は定期的にダイレーションしておく必要があります。痛みは少しずつ慣れていくので安心してください。

トイレの我慢がしにくくなる

性適合手術後のGID(MTF)のトイレ事情

性別適合手術を受けることによってトイレの面で影響が出てくることがあります。

男性器は性器としてだけでなく、もちろん排尿器官としても重要な役割を果たしている部分です。それが無くなるということは、トイレもこれまで通りにはいかなくなります。

体は慣れてくるので、ずっと続くわけではありませんが、トイレで気をつけておきたいことを二つ紹介します。

①力の入れ方に慣れない

男性器が無くなったことによって、どうやって排尿したらいいのか戸惑います。

排泄器官の形が変わることによって、これまでとは排尿するための力の入れ方などが変わってくるのです。大体の場合は、手術を受けた医療機関の看護師や医師などがサポートしてくれます。

また、男性器が無くなることによってこれまでよりトイレが我慢しにくくなってしまいます。尿意を覚えるタイミングも変わります。排尿するタイミングに慣れるまでには時間がかかるので、すぐにトイレへ行ける環境にしておいた方が安心です。

②排尿ができない場合は注意が必要

排尿は練習を重ねることで行えるようになります。

しかし、場合によっては手術によって尿道付近が腫れてしまって尿道を塞いでしまっていることがあります。こうなると排尿を自発的に行うことはできず、放っておくと膀胱炎になります。

一度は排尿ができていたのに排尿ができなくなった場合も要注意です。尿を我慢することは体にとって毒でしかないので、気になる場合は早めに医師に相談しましょう。

オリモノに悩まされる

性適合手術を受けたニューハーフはオリモノに悩まされる

性別適合手術を受けて人工膣を作る場合は、女性と同じようにオリモノが出ます。

人工膣を作る方法は、S字結腸法と反転法になりますが、どちらの方法で手術をしても濡れます。そのため、人工膣を作った後は生理用のナプキンの使用が必要になります。量については個人差が大きく、ほとんど出ない人も中にはいます。

①オリモノの正体

手術をしてから間もない間は、出血を伴うことが多いので、生理のようなオリモノが出ることがあります。

出血がある場合は人工膣の中が傷付いている可能性があるので、性行為は避けた方がよいでしょう。体内の男性機能は残っており、それに伴うカウパー液も分泌されます。尿動口からペニスが無くなっても、カウパー液は分泌されており、これがオリモノにもなります。

また、S字結腸だと血液やカウパー液以外のオリモノとして腸液が多くなります。反転法に比べるとオリモノが多くなるので、欠点に思われるかもしれませんが、性行為をする場合は潤滑油的な役割をするのでメリットになります。自発的にオリモノが出ることによって人工膣を潤して汚れを取り除く効果も期待できます。性行為にジェリーや潤滑剤を使用しなくても性行為が可能です。

②オリモノはそこまで問題ではない

オリモノが出るとナプキンを使う必要があるので大変ですが、女性にとっては当たり前の現象です。男性の体から女性の体になると面倒に感じると思いますが、女性の体になることができたことを実感できるタイミングでもあるでしょう。

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