ニューハーフインタービューvol.1 小森史奈さん(32歳)

【今回のインタビューに答えて下さった方】
▼小森史奈さん(32歳)
現在大阪のリラクゼーションマッサージ店に勤務する小森さん。
過去に広告代理店の正社員としてWEB求人広告・情報誌広告のデザイン業務を担当されていた経験もお持ちです。
休日は仲のいいご友人と、ショッピングや食事にお出かけすることがストレス解消法とのこと。
セクシャリティを問わず幅広い交友関係をお持ちの魅力的なニューハーフさんです。

◆目次◆

1.ニューハーフとしての就職活動
2.ニューハーフの求人・就職について
3.ニューハーフとしての幸せ

自分らしく生きることに性別は関係ないと思うんです。

『将来の夢はお嫁さんです♪』
『理想は共働きで朝ご飯を作って旦那さんを見送って会社へ出勤。欲を言えば夕方には旦那さんの帰りを待っていられるような生活に憧れます。』
『女性らしい身体になっていくための病院代・手術代など自分自身にもお金が掛かりますし、もし旦那さんが倒れても支えてあげられるだけの力が今は欲しいですね。』
そう笑顔で語り始めた小森さんは、過去にご自身が経験されたお仕事についてお話して下さいました。

1.ニューハーフとしての就職活動

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

初めて女性の容姿でお仕事をされたのはいつ頃ですか?

小森史奈小森史奈

25歳ぐらいのときです。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

お仕事の内容は?

小森史奈小森史奈

広告代理店のデザイナーとして勤めていました。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

応募はどのようにされたのですか?

小森史奈小森史奈

最初はニューハーフとして就職活動をしていたのですが、書類選考の時点で落とされてしまう現実があり始めは男性の格好をして応募しました。
面接時は髪の毛を短くしてスーツを着て男性らしく振る舞い採用されました。
入社してから徐々に中性的な服装や髪型に戻していきましたね。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

中性的とは具体的にどのような感じですか?

小森史奈小森史奈

ジャケットにタイトなパンツを履いていました。
入社当時、男性はスーツを着用している方ばかりで、私自身も男性用のスーツを着用していました。
内勤の女性はオフィスカジュアルのようなファッションの方が多かったので、段々と私も女性社員と同じようにカジュアルなファッションにシフトしていきました。
それに合わせて髪の毛も少しづつ伸ばしていきました。
周りからは、しゃべり方とか仕草で察していてくれていた様ですね。
結婚の話や恋愛の話は全く振ってこなかったですし(笑)

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

ファッションや髪型を女性的に変えていった時、上司や周りの同僚はどういった反応だったんですか?
ビックリされませんでしたか?

小森史奈小森史奈

環境に恵まれていましたね。
女性の比率が多い職場での内勤のお仕事だったので、周りもそれとなく「あっこういう人なんだ」と受け入れてくれている感覚でした。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

その後会社で働き続けていく中で、不都合というか困ったことはありましたか?

小森史奈小森史奈

お手洗いですかね。
トイレで会社の人に鉢合わせするのを避ける為、お昼の休憩時間に会社の近くのコンビニのトイレまで行ったり、会社の建物内の階層を変えて利用するようにしていました。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

小森さんは最初は男性として入社をされましたが、徐々に女性らしく変化していき、周りもその変化を受け入れてくれたケースということですね。

小森史奈小森史奈

はい。
ただ必ずしも全ての人が受け入れてくれて理解してくれていたかは分かりません。
何より自分自身の中でも周りにどう見られているか、理想と現実にギャップがあって常に葛藤がありました。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

小森さんはなぜ退職されたのですか?

小森史奈小森史奈

私は服装だけでなく、身体や戸籍も女性に変えたかったんです。
その頃からホルモンの投薬を始めて、少しづつ体が女性的に変化していきましたが会社では本当の女性として扱われる訳ではありませんでした。
大阪に上京した理由も、ジェンダークリニックがある都市部でより女性らしくなるためにお金を貯めたかったというのが理由です。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

ホルモンの投薬は副作用があると聞きます。
抵抗や怖い気持ちはありませんでしたか?

小森史奈小森史奈

全くありませんでしたね。
仮に寿命が縮まったとしても、男性として長く生きるくらいなら短命でも女性として生きる時間が長い方がいいという想いでした。

2.ニューハーフの求人・就職について

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

【ニューハーフ美塾】ではニューハーフとして、当たり前にお仕事が出来て生活ができる、そして今よりもっと綺麗なる。」をモットーに情報発信をしています。
また今後はニューハーフさんでも勤務できるお昼のお仕事の求人を積極的に掲載していく予定です。

小森史奈小森史奈

女性として働きたいと思って受け入れてくれる求人や企業さんが無いので、藁をつかむ思いで求人やお仕事を探している方は沢山いらっしゃると思います。
何も気にせず髪の毛だって好きな長さに伸ばしたい。
自由にメイクもしたい。
女の子としてオシャレも楽しみたい。
周りにいる女性と同じ様に生きたい。
男性はスーツを着用して清潔感のある髪型にしてくださいなど、会社内で決まりやルールがあって男性として扱えばいいのか女性として扱えばいいのか分からない企業様も多いと思います。
例えば私服や髪型が自由で性差があまりないような会社なら働いてみたいと思うのかもしれませんね。
また私達は女性として生きていく上で毎月の美容代・病院代、性適合手術代など一般的な月収だけは厳しい実態もあります。
副業として出来るお仕事や、セクシャリティを受け入れてくれる企業様が【ニューハーフ美塾】に沢山掲載されていると良いんじゃないですかね。

3.ニューハーフとしての幸せ

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

小森さんは今幸せですか?

小森史奈小森史奈

100点満点でいうと70点ですね(笑)
自分自身にコンプレックスがまだいっぱいあるんですが、女の子として日々楽しく生活できているので今の生活に満足していますよ♪

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

では30点のマイナスはなんですか(笑)?

小森史奈小森史奈

恋愛ですね(笑)
将来の夢がお嫁さんなので未来の旦那様を見つけたいですね(笑)

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

現在、昔の小森さんと同様に悩んでいる方がこのインタビューを見てくださっていますが、一言アドバイスをいただけますか?

小森史奈小森史奈

綺麗ごとじゃないくらいの深い悩みを皆さん抱えていらっしゃると思いますが、家族や友人・知人など周りの中で誰かわかってくれる理解者が一人でもいてくれるということが大きいことだと思います。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

それでは最後にニューハーフさんとして、幸せに生きるにはどうすればいいのでしょうか?

小森史奈小森史奈

とても難しい質問ですが、私達は本来、ニューハーフとして幸せに生きたい訳ではないと思うのです。
普通の女性として働きたい、生きたい。
けれど適わなくて、ニューハーフという職業のようなものを生業にしている方が大半な気がします。
認知はされてきましたが、社会的にまだまだ認めて貰えていない現状もあります。
幾ら内面が女性だとしても、女性として生きるには外見的にパスしがたいケースも考えられます。
また外見的にパスをしたとしても、自分の中で本当に女性として生きられているのか、不安に押し潰されそうな時もあります。
ただ根本にあるものは女性とか男性とかニューハーフとかでもなく、一人の人間として認められて、自分らしく生きられるのが一番なんじゃないでしょうか。
その中の選択肢の一つとして、ニューハーフや女性として輝いていけたなら幸せではないのでしょうか。

ニューハーフ美塾ニューハーフ美塾

今日はどうもありがとうございました。

~インタビューを終えて~小森さんから学んだこと

男性として企業に入社し、キャリアを積みながらも、今後の自分の在り方に大きな決断をした小森さん。
将来に不安を抱えているにも関わず、女性として生きたい・働きたいという気持ちを強く感じました。
小森さんの『他人に依存せず自立して人生を切り開いていくという覚悟』が垣間見えました。
『女性の容姿で働きながら綺麗になっていくこと』と『日常の生活をおくりながら手術費用のために経済面を豊かにすること』、この2つを両立させるためには一般的な月収だけでは厳しい実態もあり、水商売や風俗が主になっていることや求人・就職活動が困難な問題にも焦点があたりました。
女の子として生活したいけれど、経済的な理由やコンプレックスから本来ある気持ちを押し殺し、趣味として女装を楽しまれている方もいらっしゃると思います。
『自分らしく働けて生活ができる、そして今よりもっと綺麗なる。』
ニューハーフ美塾では、そんな想いを支援するお手伝いしていきたいと今回のインタビューで改めて考えさせられました。

◆インタビュー記事を読んで下さる皆さんへ

これからもニューハーフ美塾では、今をハッピーに生きるニューハーフさんへのインタビュー記事をドンドン掲載していきます!
『こんな質問をして欲しい』ということや『こんな情報が欲しい』ということがありましたら、ドシドシご意見をお寄せ下さい。

運営者情報 ニューハーフ美塾事務局
連絡先 info@newhalf-bijuku.com

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう