乙女革命レッスン04ー第2の難関!夜のお散歩

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『なんでまた卵かけご飯なんや!!』

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『お供え物って言葉知っとるか?神様へ感謝の気持ちを捧げるもんや!』
『それが毎日毎日なんでこんな卵かけご飯ばっかりやねん!』

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『仕方ないでしょ!?』
『ヘルマが人ん家のタンスの中の生活費抜き出すからこんなひもじい思いしなきゃいけなくなったんでしょ!』

医療脱毛したおかげでツルツル肌を手に入れたウタ。
だが、ヘルマがタンスの中の生活費を持ち出したためジリ貧の生活を強いられていた。

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『ステーキ食べたい!お寿司食べたい!ケーキ食べたい!ステーキ!お寿司!ケーキ!ステーキ!お寿司!ケーキ!』

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(怒ったり泣いたり、神様というよりこれじゃまるで駄々っ子だな…)

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『神様になったのになんでこんな惨めな思せなあかんのや!こんな思いする為に神様になったんやない。こんなんやったら神様なんて辞めてやる!』

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『はぁ……』
『もう、分かったから、冷蔵庫にある私のプリンあげるから機嫌なおして。』

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『プリン!!?(キラキラ)』

プリンという響きを耳にしたヘルマは冷蔵庫の方へ一目散に走っていた。そして、プリンを手に戻ってきては満足そうにプリンを頬張っている。

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『なんや、こんなんあるんやったら最初から出し惜しみせずにさっさとお供えすればええのに♪』

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『週末に食べようと思って置いておいたの!』

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『でも、あれやな。中々ええとこあるやんか!見直したわ。』

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『機嫌もなおったし、よっしゃ!次のレッスンや。』

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(よかった。ヘルマのご機嫌なおったみたい)
『今度はなんのレッスンなんだろう!』

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『次のレッスンはメイクして外にでるんや!』

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『え!メイクして外に!?』

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『せや!ウタは家ではメイクするけどメイクしたまま外出はしてへんやろ?』
『引きこもるばかりやのうて外にでなあかん!』

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『もうすぐ日も暮れるしメイクしたままお散歩や!』
『薄暗かったら人目もあんまり気にならんやろ!』

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『うん!そうだね!気合入れてメイクしてみる!』


ー 30分後 ー


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『できた!』

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『気合入れすぎてどこぞ女子プロレスラーみたいになっとるやないか!』
『もう一回やり直しや!』

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『そ、そんな……頑張ってメイクしたのに。』


ー さらに30分後 ー


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『よし!今度こそバッチリ!これでどうヘルマ?』

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(…………………)
(……いつもとなにが違うんや?)

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(あかん、この調子やと夜になってまう。)
(一先まずメイクして外出するのが目的やし、この際、細かいところはまあええか。)

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『よし!完璧や!ほな外へでるで!』

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『うん!』


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『はあ、はあ、はあ』

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『ウタ、なにさっきから電柱に隠れとるんや!』

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『だって、ご近所さんに変な目で見られてないかとか、知り合いに遭遇しないかとか不安なんだもん。』

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『何かいけないとこをしているような気持ちもするし、女の子として見られているか心配で……はあ、はあ、はあ。』

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『不審者みたいで逆に目立つわ!』

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『緊張してしまうのは仕方ないけどおどおどしたり、挙動不審な振る舞いは返って注目浴びるで。』

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『胸張って堂々とした態度で普段通り行動すればいいんや。』

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『理屈では分かってるけれど……』

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『・・・しゃーないな。』

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『他人の“心の声”が聴こえたら少しは安心するやろ?』

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『心の声?』

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『せや!心の声や。さっきも言ったけど人はウタが思うほど他人なんて見てない。実際、他人がどう思っているか感じとってみたらええんや。』

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『そんなの一体、どうやって感じればいいの?』

ヘルマが大きく深呼吸すると、さっきまで聞こえていた車の走る音や人が歩く足音が一切聞こえなくなった。

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『あれ?急に静かになったみたい。周りの音が全く聞こえない。』

そしてヘルマがパチンと指を鳴らすと周りの人の声が脳内に響いてきた。不思議なことに耳からではなく頭に直接響いてくる感覚だ。

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(今日の晩御飯なんにしよう。冷蔵庫に何入ってたかなぁ)

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(19時から日丸食品と打ち合わせか。会社戻って明日の会議資料を作成して仕事終わるの21時こえるなぁ)

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『なにこれ!?他人の考えてることが頭に入ってくる!』

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『これが“心の声”や。』
『簡単に説明すると他人が考えている思考を読み取ってるんや。』

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『ほとんどの人間はみんな自分のことで精一杯で、周りのことなんて見てないやろ?』

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『ホントだ。』
『みんな自分のことで一杯いっぱいで他人にそんな関心がないみたい。』

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『そりゃ、好みの異性がいたりファッションの参考になる同性を幾らか目で追ってしまうかもしれへんけど、それ以外はそんな見てへんで。』

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『そうなんだね。ちょっぴり安心したよ。』

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『毅然とした態度でおればいいんや。最初は緊張するかもしれへんけど時期に慣れてきて女の子として外出することが楽しくなってくるで!』

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『最初の頃にも教えてくれたけど、女性として生活する時間を増やして習慣化することが、女性として生きていく近道なんだね。』

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『うわぁぁぁ~~ん!!』

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『!?』

人だかりの中から子どもの泣き声が聞こえる。近寄ってみると道の真ん中で1人の女の子が泣いていた。

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『ママ~~!!』

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(あの子迷子?母親とはぐれたのかしら?)

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(誰でもいいから警察連れてってやれよ)

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『は?ヘルマ大変!!』
『あの女の子、迷子になってるみたい!』

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『どうやらそうみたいやな。こんな人たくさんおるし、警察もすぐ駆けつけてくれ………』

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『こんにちわ!』

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『って、ウタ、迷子の子に声かけとるやん!』

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『どうしたの?お母さんとはぐれちゃったの?』

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『うん。ヒック……ママと一緒にお買い物に来てたんだけど、可愛いお人形さん見つけて遊んでたらママいなくなって、ヒック…』

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『そっか。自分のお名前言えるかな?』

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『ユキ……』

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『ユキちゃんて言うんだね。大丈夫、すぐお母さん見つかるからね。』

(すぅ~~)

『ユキちゃんのお母さんっ!』

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『ユキちゃんのお母さん近くにいませんか!』

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(あれ?あのピンクの髪の子って声、男……じゃない?)

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(あれって女?男?よくわかんねえな?)

『……お母さん近くにいませんか!』

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『あんだけ隠れてたのにめっちゃ目立っとるやん!』

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『ユキ!!』

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『あ!ママ!!』

母親アイコン

『ユキ!!』
『どこいってたの!!?心配したじゃない!!』

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『ママ、ごめんなさい…ヒック…』

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『ああ……見つかってよかった。お姉さん、ユキを見つけて下さって本当にありがとうございます!』

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『いえいえ、ユキちゃん、お母さん見つかってよかったね。』

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『ユキ、ほらあなたもお礼言いなさい!』

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『おねえちゃん、ママを見つけてくれて、ありがとう。』

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『どういたしまして。』
『次からママとはぐれない様に気を付けてね。』

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『うん!』

母娘は何度も振り返り深いお辞儀をしながら人混みの中へ消えていった。

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『にしても、自分めっちゃ目立ってたな。』

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『え!?』

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『周りの人の“心の声”聴いてなかったんか?男か女か分からんって言われよったで。』

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『全然聴いてなかった……恥ずかしい。』

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『今頃、恥ずかしがってどないすんねん。』
『でもあの母娘にはお姉さんって思われてたみたいやな。』

『そっか、よかった。でも女の子に見られるのって嬉しいね。』

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『せやな。それだけでも大きな一歩や。』

『すっかり夜も更けたし、そろそろ帰ろうか。』

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『あぁ〜〜今日は色々あったしお腹空いたなぁ〜。』

『そうだね♪帰って晩ご飯の支度しよ。』
『卵かけご飯だけど。』

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『…………。』

次回へ続くっっ!!

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難易度

『メイクをしてお出かけしてみよう!』

最初、女性の格好を始めた頃、スカートを履いて1人で外出するというのは、とても勇気がいることです。なので、先ずはLesson1の「ユニセックスな格好、もしくはボーイッシュな女性のファッション」に「メイク」をプラスして、夜にでも構わないので少しずつでも外出することをお薦めします。(※ただし、女性の格好であまりに遅い深夜帯や人目につかない所を出歩くのは危険ですので注意しましょう。)

ご近所の目が気になるという方は、一駅離れたコンビニやスーパーにでもお散歩がてら買い物に出かけてみましょう。気軽に買い物へ行けるようになれば、女性として生活できているということになるので、後はメイクを上達させたり、ヘアメイクやファッションを徐々に整えていきましょう。

今日から女の子になっていくために
ヘルマのレッスンを少しづつ実行してもらうことになります。
これからのレッスンは、
ヘルマの言う通りそれほど難しいものではありません。
しかし、あなたの人生を
大きく変えるほどの効果を持つものです。
これらのレッスンは人によっては簡単だったり、
難しいものだったりするかもしれません。
それでも出来ることから
少しづつでも実行してみてください。
今までの生活から一変し本来の自分を取り戻すことができます。
さあ、
それでは大きく深呼吸して、
より女性らしくなるためにヘルマのレッスンをこなしましょう。

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