(どうしよう。なりゆきで着いてきちゃったけど、スカート履いて外にでるのも初めてだから違和感ある。足元がスースーしちゃうなぁ。)
『おまたせ♪』
『まじ来るの遅いから。足がパンパンでやばいんすけど…』
『チサトちゃん、いきなり呼び出して来るんだもの。
一応これでも社会人なんだから無理言わないで。』
『そうよ、もう少し事前に連絡してくれる?こっちも予定あるんだからさ。』
『急に思いついたんだから事前にとか無理。』
『はぁ~。チサトに言っても無理か。ん?てかチサト、誰この子?』
『初めて見る顔だけどチサトとなんか系統が違うわね?真面目な優等生って感じ♪』
『うざ。それってうちが不真面目そうな不良とでも言いたいわけ?』
『この娘今日うちの店の買い物きたお客さんなんだけどいい娘だったから連れてきた。』
『へぇ、チサトがそんなことするなんて珍しい。』
『名前なんて言うの?』
『は、はじめまて!私はウタっていいます。』
(わぁ。こうやって女の子の隣に並ぶと分かるけど肩幅も手も私より小さい。身長の高い女の子だっているのに女の子はやっぱり女の子なんだ)
『私はルイ。今はクラブで働いててチサトは地元で昔からの友達なんだ。腐れ縁ってやつ?』
『私はマキ。美容師兼ネイリストしています。ルイとチサトがうちの店の常連で仲良くなったんだ。』
『あれ?ルイ、リップ変えた?』
『ディオールの見た目が可愛くて思わずパケ買いしちゃった♪』
『・・・・・・』
(何が私と違うんだろう?)
(元々の骨格や一つひとつのパーツの大きさも違う…。曲線的なラインが多くて、声が私より高い。私ここにいて1人だけ浮いていないかな?)
『ねーウタちゃん。』
『は、はい!?なんでしょう!?』
『ウタちゃんはなにか夢とかってあるの?』
『え?ゆ、夢ですか?』
『そう、夢♪私は自分のお店持ちたいんだよね。ていってもまだアシスタントからようやくスタイリストになったばかりだけどね。』
『私は今のお店でママになりたいかな。今の店好きだしママの人柄も尊敬できるから、ついていきたいって思ってる。』
『じゃあ、わたしはお嫁さんになりたい。』
『へー意外。てっきりチサトは結婚とか子どもとか要らないタイプかと思ってた。』
『今時、結婚なんてしなくても幸せになれる時代じゃん?そんな時代だからこそ私はあなたと結婚したいってゼクシィに書いてた。』
『ゼクシィの受け売りかよ!』
『私は……』
(私の夢ってなんだろう?)
『私は、綺麗になりたいです。』
『・・・・・・。』
『あはは、それは、永遠の課題だよね。』
『私だってそりゃもっと綺麗になりたいわ。』
『みんな同じよね♪』
『そういえばセルフイメージって言葉知ってる?』
『なんですか?セルフイメージって?』
『一言で説明するとセルフイメージっていうのは「自分への思い込み」。つまりは、自分で自分をどう思っているかなんだって。』
『自分への思い込みですか?』
『そう、実は私たちはこのセルフイメージ通りの人生を歩んでいて、綺麗になりたいって思うだけでは綺麗にはなれない。』
『なぜなら綺麗になりたい=今の自分は綺麗じゃないって認めてることになるから、そのイメージ通りになるんだって。』
『でも、そんなの頭でわかってても難しいよね。』
『へ〜、実際今の自分と理想の自分にギャップがありすぎたら想像できなくね?』
『まあ垢抜ける瞬間とかって自分で気づいていない内に垢ぬけてたりするもんね。』
『友達のメイクや髪型真似してたらいつの間にかメイク上手になってましたみたいな。』
『アイラインとかプルプル手が震えて綺麗に引けっこないって思ってたけど、いつの間にか簡単にひけるようになってるしね。』
『今思えば簡単なことだけど確かに当時は難しいって思ってたな。綺麗になるってことも日々の積み重ねだけであって、実は簡単なことなんだろうね。』
『それに最初なんて、綺麗になるコツ理解していなくても全然いいんじゃない?』
『ウタちゃんが綺麗になるってことに楽しみを覚えることの方が大事じゃない?』
『今より綺麗になりたいか……』
『それならすぐ出来んじゃん♪』
『ウタを綺麗にしてやろうよ。』
『じゃあ今日はウタちゃんの夢叶えてあげよう。』
『いいね、それ♪』
『洋服は今日、買ったからいいっしょ。』
『じゃあ私はヘアアレンジする♪うちの店いこ♪店長に電話する!』
『だったら私はメイク教えてあげるよ。』
『わたしネイルできるから塗ったげる~』
『え、そんな』
『遊びにきたのにまさかの展開になっちゃった。』
『わぁ。爪が凄いキラキラしてる。可愛い。』
『ネイルって頑張っても男には気付いてもらえないことが大半で自己満で終わるけど、綺麗な手って自分で見てるだけでも気分あがるよね。』
『爪に長さがあって整えているだけで手もこんなに女性的になるんだね。』
『色んなネイル試したくなっちゃうな。』
『ウタちゃん髪の毛も巻いとく?』
『私、今まで髪の毛巻いたことないんです。』
『そういや、こいつさ今日、初めてショップに来たんだけど、ショップで試着したことすらないってマジウケない?』
『ネイルしたのも初めてです。』
『今時そんな娘もいるんだね。珍しい。』
『前から興味あったけど、普通の女の子のようにオシャレするとか憧れてるだけで、こんな風に冒険とかしたことなかったんです。』
『じゃ、折角だし髪の毛巻いちゃおう♪』
『そうそう、深く考えず何でもやってみ♪』
『考えるのってまじ苦手~楽しければそれでいい~』
『あんたは日頃からもう少し頭使いなさい。』
お店での試着も緊張したけど楽しかった。
今までずっと我慢してたからかな?
男の子の時は洋服選びも楽しくなかった。
周りから浮いていなければそれでよかった。
本当はスカートはいたり女の子らしい格好したいって思ってたのに
周りからどう見られるかが怖かった。
今日いろんな洋服着て、ネイルして、髪型変えて
今まで見たことない自分が見れて、嬉しい。
メイクとかファッションとかヘアスタイルとか
日頃からみんな試行錯誤しながらこうやって綺麗になっているんだ。
『わぁ、かわいい♪』
『めっちゃよくなったんじゃん♪やっぱ、うちらって神。』
『顔色もよく見えていいんじゃない?』
『てか誰かに見せたくならないの?』
『ウタちゃんって彼氏とかいるの?』
『彼氏はいないです。』
『……でも好きな人なら。』
『へぇ~どんな人?どんな人?』
『仕事先の先輩です。』
『アルバイトで入った時からお世話になっててかっこよくて笑った顔も優しくて……』
『うらやま~♪名前はなんていうの?』
『えっと、御堂先輩て言います。』
『みどう……』
『この人かな。』
『何、勝手に人のスマホいじってるんですか!』
『へ?何って、今日デートしませんかってライン送っといた。』
『な、何してくれるんですかぁぁ!デデデデートって!!』
『いいじゃん別に~。せっかくかわいくなったんだし~♪』
(御堂先輩は、まだ私がこんな姿になってるの知らないのに!?)
(遊びに行こうじゃなくってデートなんて…!)
(御堂先輩は私のこと男の子だと思っているだろうし、絶対変だと思われる)
ピコン♪
『あ、返事来た。』
(お、終わった……私の恋)
『いいよ。』
『……だって♪』
『やったじゃん♪』
『おめでとう。』
(う、う、う、嘘だ)
(ど、どうしよう!!!)
難易度
『女性とコミュニケーションをとろう。』
パス度を劇的に上げる方法の一つが「女性とコミュニケーションをとること」です。ポイントとしては、【同年代の女性】【ファッションやメイクなど見た目に気を遣っている女性】【自分よりも女子力が高いと感じる女性】【自分がなりたい理想像に近い女性】とコミュニケーションをとることです。
具体的にコミュニケーションをとれる場所はアパレルショップ、美容室で上手な女性店員を指名する、エステなどもいいでしょう。簡単でオススメなのはデパートの1階の化粧品売り場です。最初は敷居が高く感じられるかもしれませんが、見た目に気を遣っている女性も多く万人向けのメイクの相談にも乗ってもらえます。
そして出来るならば女性が多い職場に勤めてみましょう(事務職・ショップ・雑貨屋・キャバクラ・ガールズバーなど)。同じ生活や時間を共に過ごしているだけで様々な発見があることでしょう。
女性とのコミュニケーションがどうして大切なのかと言うと【女性と話している時に自分の声のトーンと女性の声のトーンが違うので違和感を感じる】【背の低い女性や体格が華奢な女性とは比べられてしまうので横に並びたくない】など、どうしても男女差を埋められない壁を感じてしまうことがあると思います。
より多くの女性とコミュニケーションをとることで、それらの差を少しでも埋めようと自分自身が声のトーンを合わせようとしてみたり女性の仕草や服装、話し方まで自然と真似るようになるからです。
例えば、キャバクラに勤めて垢ぬけない女性が途端に綺麗になるのは、周りにいる綺麗な娘に負けないように美意識を持ち始めて自分自身が周りにいる娘に合わせたり努力をしていくからです。髪型、服装、話し方、雰囲気など自分がなりたい理想像に近い女性とたくさんコミュニケーションをとることが、理想の女性への近道です。
今日から女の子になっていくために
ヘルマのレッスンを少しづつ実行してもらうことになります。
これからのレッスンは、
ヘルマの言う通りそれほど難しいものではありません。
しかし、あなたの人生を
大きく変えるほどの効果を持つものです。
これらのレッスンは人によっては簡単だったり、
難しいものだったりするかもしれません。
それでも出来ることから
少しづつでも実行してみてください。
今までの生活から一変し本来の自分を取り戻すことができます。
さあ、
それでは大きく深呼吸して、
より女性らしくなるためにヘルマのレッスンをこなしましょう。